1.公正証書遺言
遺言書を公正証書にしてあると、自分で書いた遺言書は家庭裁判所の検認手続きを経ることなく、すぐに確実に解約・名義変更ができるようになります。
作るときに費用はかかりますが、後々の手間と時間等を考えると、費用対効果はズバ抜けています。
2.任意後見契約
「私が意志決定が出来なくなったら、私の代わりに、私が生活していけるよう、後を宜しく頼むよ」という契約を、生前に作っておくことです。
認知症をはじめとして判断能力が落ちた後、だれが後見人になり、いくら費用がかかるかわからない「法廷後見人」とは違って自分で選べるのです。
後述しますが、LGBTカップルには必須となります。
+財産管理委任契約
年をとったり、事故や病気等によって、いつも自由に金融機関窓口に行けたところが、行動に制限がかかることもあります。そんな時に、この契約書をもって窓口にて解約・引き出し手続き等を、頼んだ人ができるようになります。
LGBTパートナーは、戸籍上の親族でないために相続人になることができません。まったくの他人、という枠をでないのが現状です。
よって、相続人でないということは、あなたの一番守りたい人なのにそのパートナーのその後の人生を守れない、財産を一切渡せないことになります。
親族外に死亡保険金をあげることができる保険契約もまだあまり少ないため、この場合、「この人に財産をあげる」旨を「遺言書」で残すことが必須です。
現在、日本で初めて渋谷区のみが、LGBTパートナーを認める条例を作りました。(渋谷区住民のみ)
ただし条件として「準婚姻契約書(パートナーシップ証明書)」と「任意後見契約書」を作成することとされています。
これらは公正証書で作る必要があり、今後、世田谷区をはじめとして渋谷区に準ずる条例ができ、今後各地で始まると予想されます。
亡くなった後の役所への届け出や手続きなどは、窓口では「親族がいるならばその人がするように」言われます。
葬儀なども親族から「血のつながりのない人が仕切るのは許さない」とされたり、面識がない場合などは参加や家へあがることも拒否される可能性があります。
生前に、手続きを任せる契約書を作ることにより、死後の後じまいをしてもらうことができます。
「準婚姻契約」別名、「パートナーシップ契約」、とも言います。
本来、LGBTカップルは戸籍上などで(現状では)関係性が確認が出来ないままになってしまうため、相続発生時には「まったくの第三者」としてなります。
そこで国の機関である公証役場で公正証書遺言をつくることで、
パートナーへの「遺贈」の意を表し、第三者であっても、血のつながりがなくても、自分の財産を譲ることができるようになります。
また、現在徐々にですが保険金の受取人をLGBTパートナーに変更できる保険会社が増えてきてもいます。
(遺言書で受取人を変更できる、とされていますが各保険会社に確認が必要でしょう)
まだ都内全部で対応しているわけではないのですが、今後広まっていくことを考えると
上記の2つの公正証書(準婚姻契約書と任意後見契約書)を作成することで、
「男女の夫婦と同じように」年金の受取りや都営団地への入居、市区への届け出ができる等々、いろいろなことが認められるようになります。
ちょっと大変なようにも思えますが、作ることで関係性を明らかにできるため、どうしても必要になります。
また「死後事務手続委任契約書」があることで、亡くなった後の役所手続きや部屋の片づけなどができるため…やはり、大切なパートナーに任せたいものですよね。
故人亡き後、遺された方は、故人との関係性を表す証明を後からは作れないために、
あちこちでの各関係手続が難しくなることが多いです。
もちろん二人でためてきた貯金等も、相続人ではなくただの同居人となり、実際の相続人に流れてしまいます。
つまりは第三者・部外者とされ、お葬式や片付け、故人の契約先(例えば携帯の解約や市役所の死後手続き)などの手続きが一切出来ず、亡くなった人が本来頼みたくない縁故者(連絡をとっていない親族・家族等)に、その財産も後始末を任せなくてはならないのです。
パートナーシップ契約に関しては、あつかっている士業はもちろんのこと
公証役場でもまだまだ例が少ないため(過去作成例は八王子では幣所だけです)、経験のあるひとがよいでしょう。
もちろん、弊所は何度か経験もあり、詳しい内容に対応可能です。
お気軽にご相談ください。秘密厳守致します。