遺言書7つの誤解 その6:『一度作ったら財産を使えなくなる』


『遺言書は法律に守られた独り言』

私の親しくさせていただいている公証人の先生の名言です。

 

遺言書は自分の財産に関する限り、基本的に何を書いても自由です。
(遺言を執行するという部分では無意味なものもありますが)

 

同時にその財産を使ってしまおうが、売ってしまおうが、処分は本人の自由にできます。

 

当然です。まだまだこれから生きていく中で、何があるかわからない、必要になるかわからないのに
遺言書に記載したことで財産に手が出せなくなるなら作る人はいなくなるでしょう。

 

また遺言書は何度でも書き直し可能です。
前に作ったものと後に作ったものが被る部分だけ後に作った内容が優先されるというだけです。 

 (↑内容がもれたりする財産に注意!)

例えば、平成26年7月に

「預貯金口座Aは長男に、預貯金口座Bは次男に」という遺言書を作り、

平成27年7月に

「預貯金口座Aは三男に、預貯金口座Cは次男に、不動産Dは長男に」という遺言書を作った場合、

 

被っている部分は後に作った新しい遺言書が優先されるため、

「預貯金口座Aは三男に、預貯金口座B、Cは次男に、不動産Dは長男に」ということになります。

 

また、自筆の遺言書と公正証書遺言でも、公正証書の方が強いというわけではなく日付の新しい方が優先されます。

 

が、公正証書遺言で作ったものの一部を、自筆の遺言書で新しく書き換えたとしても、

どうしても自筆の遺言書は、検認に時間がかかるためすぐにその内容が実現できなかったり、

その間に相続人間で揉めだしたり、裁判になることが多いためにあまりお勧めできません。


 →誤解その7 「遺言書で決めたら子どもに見捨てられる」