相続時精算課税の落とし穴

相続時精算課税とは、

60歳以上の贈与者が20歳以上の子、孫に贈与した場合、その時点では2500万円までが非課税で(超えた部分は一律20%)、贈与者が亡くなった時に相続税の計算の価額に加えて計算しなおす、というものです。

 

両親のうち、父からの贈与は相続時精算課税、母からの贈与は暦年贈与と親ごとに選択することもできます。

 

相続が発生した時に相続税の基礎控除以内であれば、非課税で生前に財産移転が可能ですし、

賃貸不動産であれば、その後の賃貸収入も受贈者のものになりますし、

財産評価は相続時ではなく、贈与時の価格に固定されるので、

これから値上がりが見込まれる資産については大きな節税効果があります。

よいことばかりのようですが、

逆に相続時精算課税のデメリットをみてみましょう。


 1.不動産にまつわる税金

 2.連帯納付義務

 3.払わないでよい相続税を払う可能性

 4.小規模宅地の特例適用不可

 5.最大のリスクは

1.不動産にまつわる税金

 

不動産を相続で取得した場合、登録免許税が固定資産税評価額の0.4%で済むのに対し、

生前贈与の場合だと登録免許税が2%のうえ、3%の不動産取得税がかかります。

 

 

2.連帯納付義務


相続発生前に贈与財産を使い切っていて相続税額をおさめられない事態になれば

他の納税義務者に連帯納付義務が生じてしまいます。

 

3.払わないでよい相続税を払う可能性


自社株を贈与したが、将来債務超過となり、株価がゼロ同然になった場合、相続時精算課税を行ったために

本来負担することのなかった相続税が生じてしまいます。

 

贈与した不動産が家事や震災で消滅した場合、贈与しなければ滅失した財産に相続税が課税されることがなかったのに、

上記同様に納税の必要がなかった相続税負担が生じます。

 

 


4.小規模宅地の特例適用不可


親が同居する子に住宅を贈与する、あるいは、生計一の子が住む住居を贈与すると

贈与者に相続が発生したときの相続時の精算課税では小規模宅地の特例が使えず、

相続や遺贈に比べて不利になってしまいます。

 

 

5.最大のリスクは


相続時精算課税を選択していた受贈者が先に死亡してしまった場合

死亡した受贈者の相続人が、相続税精算課税の適用に伴う納税義務を承継することになります。

 

子が先に亡くなるとはどこの親も考えたくはないものですが、

その財産が値下がりすること、会社の業績が悪くなることなど含めて、起こりうることも考えておかねばなりません。


 →中小企業経営者が必ず考えなければならない相続の話

 →名義預金はどうなる