相続人がいないと遺産はどうなる

長寿国日本。

寿命がのびているとともに老老介護が増え、その結果介護している子が先に亡くなったりして

身寄りのないお年寄りが増えています。

また結婚しない人や子がいない夫婦も今では当たり前となっているので

今後「相続人がいない」方も年々増えていく一方でしょう。

 

さてその場合、誰がその遺産を相続するのか

また借金などの債務は誰が払うことになるのでしょう。

 

1.「相続人がいない」とは

 

普通に考えるとまず亡くなった方に

「配偶者」もなく「子」「孫」が1人もいなくて、「両親」「祖父母」も先に死亡していて、「兄弟」「甥姪」も全くいない場合です。

これは「もともといない」天涯孤独の場合と「先に亡くなっている」場合の両ケースが考えられます。

 

それ以外に盲点として

上記の人たちがいるにはいるが、全員が相続放棄を家庭裁判所に出した場合も

結果として「相続人がいない」ことになります。

 

相続人がいるかいないか不明な場合、もあります。

 

 

2.相続財産管理人の選任

 

その亡くなった方の利害関係のある人や検察官の裁判所への申し立てにより、相続財産を管理する人が選ばれます。

これが「相続財産管理人」。

 

通常弁護士がなることが多いのですが、官報で一般への告知(公告)をして相続人が名乗り出るのを待ち、

同時に相続財産の管理を行います。(期間2ヶ月)

 

そこで相続人が現れないと財産を処理するための手続きが始まり、

亡くなった人にお金を貸していた人などに対して請求をするよう、さらに公告し

相続財産管理人が相続財産の中から支払をします。

 

そこでも相続人が現れない場合は、家庭裁判所はさらに最終公告を行い、

この期間内に権利の主張をしないと権利が無効になります。

 

 

3.特別縁故者による相続財産分与請求

 

特別縁故者とは、亡くなった方と特別に深い縁があった人のこと。

 

内縁の妻や事実上の養子のように、亡くなった人と一緒に住んでいた人

亡くなった人の介護などをしていた人

老人施設のように亡くなった人と密接な関係があった人

の請求によって、

相続財産の全部または一部を分けるというものです。

 

この制度は、法律上は相続人とはなれないものの、

実際に相続人と深い関係があった者に遺産を与えるのが望ましいという考えから作られたものです。

ただし、これはあくまでも相続人がいない、もしくは見つからない時だけです。

1人でも相続人がいればどんなに仲がよく面倒をみていても、内縁の人でも権利はゼロです!

 

これには、特別縁故者として名乗り出た者が家庭裁判所に請求する必要があり、

最終公告が終わった後3か月以内に亡くなった人との関係を明らかにしなければなりません。

 

家庭裁判所はこの請求を受けてから

子の人が特別縁故者にあたるかどうか

遺産のうちどの程度を分けるのがふさわしいかを判断します。

 

 

4.最後は国庫へ

 

相続人が見つからず、かつ特別縁故者による請求もない場合、

またはその請求が認められない場合、

請求が認められて分けた上でもまだ余った財産がある場合には

相続財産は国のものになります

それによって最終的に相続財産管理人の仕事も終わります。

 

 

5.結論

 

このようにかなり複雑な手続きになるのはもちろん、

あまりあげたくない人の手に財産が行くことも考えられるので

あげたい人がいるならば、生前に決めておいた方がよいでしょう。

 

また、亡くなった後はだれがそれを知り、

お葬式や埋葬などの手続きをしてくれるのか、

住まいや身の回りのものをかたづけてくれるのか、

相続人のいない方にとっては決めておかないと深刻な問題ではないでしょうか。

 

 

 →→子どもがいない人の相続

 →→遺言書を書いた方がいい人は?

 

 1.「相続人がいない」とは

 2.相続財産管理人の選任

 3.特別縁故者による財産分与請求

 4.最後は国庫へ

 5.結論