相続遺言相談あるある その2~ハンコを押してくれ、と送られてきた書類

Aさんが帰宅するとお兄さんから郵便で書類が送られてきていた。

開けてみると亡くなったお父さんの相続に関する書類のようだが、

よくわからないのでお兄さんに電話をしてみると

 

「口座が凍結してしまってとりあえずハンコがないとお金をおろせない」

「自宅の固定資産税を払うために、同居している人に名義変更してくれと言われている」

「お金のことはあとで相談してわけるから、とりあえずハンコと印鑑証明と戸籍だけほしい」

 

ということで署名捺印をして送り返したが、すべて財産は解約・名義変更済みだった・・・

 

・・・・・・・もう前の話だけどどうにかならないか、という事後的な相談になるケースです。

 

そして大体はどうにもならないことが多いのも事実です。

 

 

結局その書類は何だったのかというと、考えられるのは

財産はAさんの兄がすべて取得する、という内容だった

「遺産分割協議書」

 

もしくは

私はもう生前にたくさん財産はもらっているので

今回の解約・名義変更では財産はいりませんという

「相続分なきことの証明書」

 

であることが多いです。

 

いわゆる法律上でいう「相続放棄」

裁判所に提出する「相続放棄申述書」ならば

普通の書類とかなり違うので明らかにわかるでしょうし

(みなさんは「遺産をいらない」という意味での遺産分割のことを

「放棄する」とか「放棄した」と言っていますが間違いです。)

「一部放棄」とかないです。

「相続する」か「(全部)相続放棄する」しかありません。

 

 

他にも

「相続分の放棄」「相続分の譲渡」に関する書類でしたら

通常、裁判所から本人の意思確認などがあるので

簡単に署名してはいけないものだったとだいたいは気づきます。

 

でもいずれの書類にしても、署名捺印をしたのは本人ですから手遅れですね。

 

 

結論

 

突然何の説明もなく

「まずこの書類に署名捺印してください」という手紙が来たら

差出人が兄弟だったり、われわれ士業であっても、

必ず折り返し確認の電話を入れるなり、会ってしっかりと説明を聞いた方がよいです。

 

ある意味「振り込め詐欺」に近いところがありますね。

 

また、一度誰かが取得してから再度分ける、となった場合でも

贈与税がかかったり、相続税の修正申告ができなくなりますので

専門家に必ず相談してから行うようにしてください。

 

さて日頃のお付き合いで頼んだ顧問の士業さんたちはどこまでしっかりアドバイスしてくれるでしょうか・・・?

 

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