遺言書7つの誤解 番外:『遺留分があるから書けない』

あえて今まで触れませんでしたが、遺言書には遺留分の問題がついて回ります。

 

わかりやすくいうと
原則、法定相続分の1/2(相続人が親だけの場合1/3)は最低限もらえる、という権利のことです。
ただ、自動的にもらえるわけではなく、
遺留分を侵害されたことを知って1年以内に取り返す手続きを踏まねばなりません。

(これを遺留分減殺請求といいます)

 

極端な例を挙げると、

奥さんと子供がいる方が、遺言書で「愛人にすべての財産をあげる」としてしまうと、

のこされた家族の住むところや生活費も全て失ってしまうので、生活できなくなってしまうのを防ぐ、ということです。

しかし遺言書を作るのはその財産を今まで管理してきたご本人ですから、愛人にあげないとしても

3人息子のうち長男に全部あげる、としたって自分の財産ですしどう決めようが自由ではないでしょうか。


親に子の養育義務があるのは20才になるまでです。
(だいたい、大人になって親のスネをかじるのも、
 亡くなったことで親の預貯金をもらうのも時期が違うだけで同じことでは?)

 

相続や遺言で、こういう相談をされるとまず、
「遺留分があるのでその分け方ではだめです。」のようなことをいう士業の方がいますが、

「法律では…」と言いたがる人ほど逆にその分野に関しては明るくなく実務に不慣れである、
 と判断してもらってよいかもしれません。

 

ただ、信託銀行で商品として扱っている”遺言信託”を作ろうとすると(←商品名で信託契約とは全く関係ありません!)

必ず”相続人調査”として戸籍をさかのぼり、相続人は誰かを調べて、

遺留分を侵害しない遺言書しか原則的に作ってもらえません。

(私が2か所で試しました)

 

また、相続後に紛争になりかけると遺言執行者の立場をすぐにおりてしまいます。

 

のちのちの遺言執行をすることが銀行の目的ですから、

遺留分減殺請求や遺言無効訴訟などの裁判ごとは避けたいわけです。

 

要するに、自分が遺言執行者になりのちのち報酬がほしい専門家だと、遺留分についてこだわる、ということです。

(とうぜん私もリスクについては説明してますので)

 

 

結論;

遺留分を侵害しても希望通りの遺言書は作れる。

相続人調査をする必要はない。

 

(経営をしてる方は専門家とよく考えた方がよいと思いますが)

 

弊所に遺言書を作りたいと相談に来る方は

財産をあげたくない人がいる、とか特定の人にほぼ全てをあげたい、という方が多いです……

 

まあ法定相続をぶっ壊す、遺族に話し合いをさせないのが「遺言書」ですからね。

 

 

以上、遺言書のよくある誤解をあげてみました。

 

  →→私が相続専門である理由

 →→本当に遺言書の通りに分けられる?