相続遺言相談あるある その1

日々、相続・遺言のお手伝いをしている中で、

予約以外でも電話やメール、店頭飛び込みでいろいろなご質問をお受けするのですが、

少し相談に乗りづらいケースも多々あります。


基本的にご本人の意識や認識の問題なのですが、

困った相談のよくあるケースを一部ご紹介いたします。


   1.相続トラブルに巻き込まれた
   2.お金の問題ではないんですけど
   3.お父さんが遺言書を作りたいと言っている

1.相続トラブルに巻き込まれた

 

相続でトラブルになった時に相談者からこの言葉をよく聞きます。

“巻き込まれた”……?お父さんが亡くなって、その方が子なのに…?

 

巻き込まれる、といえば突然のできごとに無関係の人が被害をうける感じで、
“産まれた時から相続人である”子がまるで

他の兄弟が悪く、自分は悪くない被害者だ、といったようなことを言うのはいかがかと思います。
認識が甘すぎる!!
だいたいお話を聞いているとどっちもどっち、もしくはこれは相談者の方が分が悪いな、と感じることが多い。

そして、早くからその自覚があれば対応できたことがほとんどです。

正しくは、「相続がトラブルになってしまった」ですね。

 

ちなみに“トラブル”になってしまった後では司法書士も税理士も介入することができません。
弁護士のみです。(法律で決められています)

費用と時間と労力が10倍以上かかるのを覚悟して弁護士さんのところへ行ってください。

 

 

2.お金の問題ではないんですけど

 

相続に限らず、人間関係の相談でよく聞く言葉です。

特にトラブルに発展する当初。確かに最初はお金の問題ではなく、

もめ事を避けたい、相手方に謝ってほしい、自分の生活やプライドを守りたいことが主な希望です。

 

しかし…時間が経過するに従い、お金も払ってもらわなければならないという気持ちになってくるのが通常です。費用も時間も労力もかけているのですから当然のことです。

でも逆に亡くなった方との関係や想いが薄いほど、最後には当初の悩みよりもお金の問題ですめばいいやとなっています。

言うなら、「問題を解決したいけどお金の問題でもある」ですね。

 

私たちは“人生、想い、財産”をつなげるお手伝いをする専門家です。
自分を正当化するために口だけお金の問題ではない、と主張されてもすぐにわかりますし、残念な気持ちになります。

 

 

3.お父さんが遺言書を作りたいと言っている

 

飛び込みの相談で一番多いのがこれではないでしょうか。
しかもお父さんというのはお義父さんであるケース。

 

終活ブームということもあり、
遺言書がTVや新聞で話題になることが多いので確かに興味は持たれるんです。

「家土地はお前たちにあげる、という遺言書を作ろうかな」

その後ご家族で盛り上がって、ご自分でいろいろ調べた後に相談にいらっしゃいます。


手続きの仕方や時期や流れなど説明してご自宅に持ち帰ります。そしてお父さんの反応は…

「そのうち作る」「その時はそう思った」「またいつか考えるよ」…………

 

相談者もですが私どもも非常に残念です。
お父さん本人が、遺言書がどれだけ重要なものなのか理解されていないんです。

遺言書はご本人の意思が全てです。周りがどんなに盛り上がっても、書かせようとしてもその意思ひとつですので、相談をする方もされる方も気をつけましょう。

 

相続問題は病気と同じく

早期発見・早期治療が一番です。

手遅れになることはあれど早くて損することはありません。


 →遺言書を書いた方がいい人は?

 →本当に遺言書の通りに分けられる?