寄付という名の遺贈をするには

「家族以外にも財産を残したい、寄付したい」

「私が死んだら恵まれない方々に貢献したい」

と考える方もいらっしゃるかと思います。

 

さて、遺言書で寄付をする、ということが本当にできるのか?というところで

ネットなど検索すると「できる」とされていますが、

ネット情報と実務はかなり違うと考えてもらってよいと思います。

あれは法律用語や机上の理論を並べているだけです。

(これに限りませんが)

 

寄付の意向を遺言書の条項にいれると

 

法的には「寄付」ではなく「遺贈」という言葉に変わります。

つまり相続人でない人へあげる。という意味。

 

 

 

 

 

遺言書で遺贈するときには、

「だれに(どこに)、なにを、どのくらい」遺贈するのかを記載します。

もっとも「すべてを」でも可能です。

 

でも相続人の方がいらっしゃる場合、遺言書を作って「全部遺贈だ!」と言っても

「遺留分」という『相続人に最低限保証された金額』がありますね。

これは寄付の場合でも同様です。

 

もっともその遺留分を取り返す行為(遺留分減殺請求)をするかしないかは

その相続人(遺留分を侵害された人)次第ですが。

 

そうなった場合に、寄付先に「遺留分減殺請求」に関して苦情や裁判などの迷惑がかかるかどうか、ということが重要になってきます。

 

「相続人でも何でもないのにもらっているんだから侵害した部分は返すべき!」

というのがイチ意見としてありますし、実はこういった事態に対し、

受け取り側も実はびくびくします。

 

「・・・相続人の方が納得していただけると助かります・・・」

なんて言う声も機関側から聞かれます。

 

以上の心配から、実際に「受け取らない」機関も多くあるのです。

(特に行政機関)

 

差し上げる方、業務を引き受ける方。

 

ご意向が現実として叶うには

「寄付できますよ~」

なんて、簡単に言うのではなく、ちゃんとあげられるか下調べしておかなければ。

 

その方の意思や遺言書が絵に描いたモチになってしまうので念入りに進めましょう。